強剛母趾(きょうごうぼし)について

強剛母趾とは

強剛母趾は、足の親指の付け根(MTP関節)が硬くなり、動かしにくくなる病気です。
特に親指を上に反らせたときの痛みが特徴で、進行すると歩くたびに痛みが出たり、関節が変形してきます。


主な症状

  • 親指を上に反らすと痛い
  • 親指の付け根が腫れている
  • 足の甲側に「コリッ」とした出っ張り(骨のトゲ=骨棘)がある
  • 歩くと親指まわりが痛む
  • 進行すると、関節がほとんど動かなくなる

主な原因

  • 長時間の歩行・スポーツなどによる親指への負担のかかりすぎ
  • 加齢による関節軟骨のすり減り
  • 打撲や捻挫などの外傷
  • 扁平足やハイアーチなど、足の形によるストレス
  • 家族に強剛母趾がいるなどの体質(遺伝的要因)

診断

  • 診察で、動きの固さ・腫れ・骨の出っ張りをチェック
  • レントゲン検査で
    • 関節の隙間の狭さ
    • 骨棘の有無
    • 他の病気(痛風・外反母趾など)との違い
      を確認します。

治療(まずは保存療法から)

  • 負担を減らす
    └ 歩き方・活動量の調整
  • 靴の見直し
    └ つま先が広く、親指を圧迫しない靴
    └ 靴底がやや硬めで、つま先が少し反り上がったもの(ロッカーボトム)
  • インソール
    └ 足底挿板で親指への負担を分散
  • 薬・注射
    └ 痛み止め・湿布
    └ 関節内注射で一時的に痛みを軽くすることもあります

※強い変形や痛みが続く場合は、骨棘を削る手術や関節固定術などが検討されます。


当院での対応・症例

中村整形外科皮フ科では、

  • レントゲンで関節の状態を確認
  • 靴・インソールの相談
  • 生活スタイルに合わせた痛みのコントロール

などを行っています。

症例:80歳女性
左足の親指の付け根の痛みで受診。レントゲンで強剛母趾と診断し、湿布などの保存療法で痛みは軽減しました。