腰がいたい

腰痛の原因と治療 – 早めの対策で快適な生活を!

腰痛は多くの方が経験する症状ですが、その原因や治療法は人それぞれ異なります。「少し休めば治るだろう」と放置していると、慢性化してしまうことも……。 ここでは、腰痛の主な原因と治療のポイントをご紹介します。

腰痛の主な原因 – 5つのタイプに分けられます

腰痛は、以下の5つの原因によって起こることが多いです。

  1. 骨の異常
  2. 筋肉の異常
  3. 神経の異常
  4. 関節の異常
  5. 椎間板の異常

1. 骨の異常

加齢や骨の変形が関係

  • 脊椎の変形(側弯症・腰椎変性すべり症)
  • 圧迫骨折(特に骨粗鬆症の方に多い)

骨の変形や脆弱化が進むと、腰への負担が増し、痛みを引き起こします。特に高齢の方は圧迫骨折に注意が必要です。

2. 筋肉の異常 

 日常の姿勢や動作が影響

  • 筋肉の損傷・炎症(いわゆる「ぎっくり腰」)
  • 長時間の同じ姿勢による筋肉疲労(デスクワーク・立ち仕事)

運動不足や長時間の同じ姿勢での作業は、腰の筋肉を硬くし、痛みの原因になります。適度なストレッチや正しい姿勢が予防のカギです。

3. 神経の異常 

しびれを伴うことも

  • 神経の圧迫(周囲の組織による影響)
  • 神経の炎症

神経の圧迫により、「足がしびれる」「腰の痛みが足まで響く」といった症状が出ることがあります。放置すると悪化することもあるため、早めの診察が大切です。

4. 関節の異常 

 動かすたびに痛みが出る

  • 仙腸関節障害
  • 腰椎椎間関節の炎症

関節のズレや炎症によって、動きにくさや痛みが生じます。「朝起きたときにつらい」「立ち上がるときに痛みがある」という方は関節の異常が関係しているかもしれません。

5. 椎間板の異常 

  • 加齢による椎間板の変性(加齢による変化)
  • 過度な力が加わり椎間板が突出(突出)

椎間板は背骨のクッションの役割を果たしていますが、加齢とともに弾力を失い、痛みの原因となります。「長時間座っているとつらい」「腰を反ると痛い」と感じる場合は、椎間板の変性が疑われます。

腰痛の治療で大切なこと

腰痛治療の基本は、痛みの原因となる組織を特定し、適切な処置を行うことです。痛みが和らいだら、発痛部位にしっかりアプローチし、根本的な改善を目指します。

主な治療のアプローチ

  • 炎症を抑える(薬物療法や物理療法)
  • 癒着を改善し、神経や筋肉の動きをスムーズにする
  • 組織に加わる負担を減らす(姿勢改善・体幹トレーニング) 
  • 不要な組織を取り除く(手術が必要な場合もあり)

「痛みをなくすだけ」ではなく、再発を防ぐための治療が大切です!

画像には写らない腰痛も多い – その原因とは?

腰痛の多くは、レントゲンやMRIに映らない「非特異的腰痛」といわれます。

Deyoらの研究によると、実に85%の腰痛は画像で明確な異常が確認できない腰痛(非特異的腰痛)とされます。

非特異的腰痛の主な病態

  • 筋・筋膜性腰痛(筋肉や筋膜の緊張・炎症)
  • 椎間板障害(軽度な損傷や変性)
  • 椎間関節障害(関節の炎症や摩耗)
  • 仙腸関節障害(骨盤のズレや炎症)

一方で、重篤な疾患が原因の腰痛(「レッドフラッグ」)には注意が必要です。

レッドフラッグとなる腰痛の例

  • 骨粗鬆症による圧迫骨折
  • 腰椎分離症
  • 下肢のしびれや筋力低下を伴う腰痛
  • がんの骨転移による腰痛

「ただの腰痛だと思っていたら、重大な病気が隠れていた」というケースもあります。少しでも気になる症状があれば、早めにご相談ください。

当院の強み|専門医による確かな診断と治療

当院の院長は、脊椎のエキスパートとして、腰痛の診断と治療を専門的に行っています。

  • 日本整形外科学会認定整形外科専門医、脊椎脊髄医が診察します
  • MRIを完備 – 正確な診断を実現します
  • 理学療法士による運動器リハビリテーションをご提供します
  • 痛みの部位に応じてエコーを用いた正確な注射

専門性の高い知識と経験に基づいた精度の高い診断を行い、最適な治療をご提案します。

リモートワークによる腰痛増加|若い世代も注意!

近年、デスクワークやリモートワークの増加により、若い世代の腰痛が急増しています。
座る姿勢は、立っている時よりも腰に負担がかかるため、正しい姿勢や適度なストレッチが重要です。

当院では、腰痛予防のためのストレッチ指導やエクササイズ指導も行っていますので、ぜひご相談ください!

当院のリハビリテーション|専門医と理学療法士が手厚くサポート

当院では、専門医による的確な診断のもと、理学療法士が患者さま一人ひとりに最適なリハビリテーションを提供しております。

当院のリハビリの特徴

  • 専門知識を持つ理学療法士がマンツーマンでサポート
  • 病態や症状に合わせたオーダーメイドのリハビリプログラムを作成
  • 体全体のバランスを考慮した効果的なリハビリテーション

腰痛の原因はさまざまですが、適切なリハビリを行うことで痛みの軽減や再発予防が可能です。

運動器リハビリテーションで痛みを軽減!

腰痛の原因は、神経や筋肉の動きの悪さが関係していることもあります。リハビリでは、痛みの原因を見極め、手技療法や運動療法で改善を目指します。

リハビリでの主なアプローチ

  • 神経の圧迫を和らげる(徒手療法・ストレッチ)
  • 神経の滑走(スムーズな動き)を改善する
  • 筋肉の緊張を和らげる
  • 適切な運動療法で筋力を強化し、負担を軽減する
  • セルフエクササイズの指導

リハビリを継続することで、痛みの軽減だけでなく、腰痛の再発予防にもつながります!

「腰痛くらい…」と我慢せず、早めにご相談を!

「この腰の痛み、どうしたらいいの?」と思ったら、ぜひ当院にご相談ください。

  • 的確な診断と治療で、あなたに合った最適なアプローチをご提案します。
  • リハビリや運動指導も含め、腰痛の根本改善をサポートします。

お問い合わせ・ご予約はこちら → [クリニックの連絡先]

腰痛の代表的な疾患

腰痛にはさまざまな原因があり、それぞれ症状や治療法が異なります。ここでは、代表的な疾患について詳しく解説します。

1. 変形性腰椎症

加齢や長年の負担により、椎間板や関節が変性し、骨と骨が直接擦れることで痛みが発生します。

症状

  • 長時間の立ち仕事や座り続けると鈍い痛みを感じる
  • 朝起きたときに痛みが強い
  • 進行すると歩行が困難になることも

2. 腰椎椎間板ヘルニア

椎間板が変性し、外側に飛び出して神経を圧迫することで、腰の痛みや足のしびれを引き起こします。

症状

  • 前かがみや長時間の座位で痛みが強くなる
  • 足のしびれ・痛み
  • 重症化すると歩行困難や排尿障害が起こることも

椎間板の髄核(水色のところ)が飛び出したタイプのヘルニアは自然に吸収されやすいのです。

3. 腰部脊柱管狭窄症

加齢による脊柱管(神経の通り道)の狭窄によって神経が圧迫され、腰の痛みや足のしびれが現れます。

 症状

  • 歩くと痛みが出るが、少し休むと楽になる(間欠性跛行)
  • 下肢のしびれ・痛み
  • 進行すると歩行距離が短くなり、日常生活に支障をきたす

4. ぎっくり腰(急性腰痛症)

無理な動作や重い物を持ち上げた際に筋肉や靭帯が損傷し、急激な腰の痛みが発生します。

症状

  • 突然の激痛で動けなくなる
  • 適切な安静と治療で数日〜1週間で回復することが多い
  • 再発しやすいため注意が必要

5. 筋・筋膜性腰痛

腰の筋肉や筋膜が過度の緊張によって炎症を起こし、痛みが生じます。

症状

  • 長時間のデスクワークや姿勢の悪さが原因
  • 鈍い痛みが持続する
  • 温めると痛みが軽減する

6. 腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)

骨粗鬆症などにより腰椎の骨が圧迫されて潰れ、強い腰痛が発生します。

症状

  • 高齢者に多い(軽微な外傷でも骨折することがある)
  • 寝起きや立ち上がる際に痛みが強くなる
  • 放置すると背骨が変形し、慢性的な痛みの原因になります

7. 化膿性脊椎炎(かのうせいせきついえん)

細菌感染によって脊椎が炎症を起こす疾患で、強い痛みや発熱を伴います。

症状

  • 発熱・全身倦怠感を伴う
  • 安静時でも強い痛み
  • 免疫力が低下している人に発生しやすい

8. 病的骨折

がんの骨転移や骨の病気によって発生する病的な骨折で、軽微な負荷でも骨折が生じます。

症状

  • 安静時にも強い痛みが持続
  • がんの転移が原因の場合もあるため注意が必要

9. 腰椎分離症(腰椎の疲労骨折)

成長期のスポーツ活動による疲労骨折で、腰椎の後方部分(椎弓)が分離する疾患です。

症状

  • スポーツをする10代に多い
  • 初期は無症状のこともあるが、運動時に腰痛が発生
  • 長時間立っていると痛みが出る

詳しくはこちら

10. 腰椎すべり症

腰椎分離症が進行した場合や、加齢により腰椎が前方に滑ってしまう疾患です。

症状

腰痛のほか、長時間歩くと足のしびれや痛みが出る
脊柱管狭窄症を合併することがある

11. 坐骨神経痛

腰から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫されることによる神経痛です。

症状

  • 腰だけでなく、太ももやふくらはぎにも痛みやしびれが広がる
  • 歩行や姿勢の維持が困難になることもある
  • 原因疾患(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症など)の治療が必要
中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会