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【肩の激痛】石灰沈着性腱板炎とは?〜原因・症状・治療・予防まで解説〜

【肩の激痛】石灰沈着性腱板炎とは?〜原因・症状・治療・予防まで解説〜

肩の激しい痛みに突然襲われ、夜も眠れないほど辛い思いをされたことはありませんか?
それはもしかすると「石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)」かもしれません。

今回は、40〜60代の女性に多い肩の激痛の原因ともなるこの疾患について、わかりやすくご紹介します。


石灰沈着性腱板炎とは?

石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板(とくに棘上筋)にリン酸カルシウム(いわゆる「石灰」)が沈着し、炎症が起きる病気です。

特徴

  • 突然、耐えがたい肩の痛みが出現
  • 夜間痛が強く、眠れないことも
  • X線(レントゲン)で白い石灰が写る

40〜60代の女性に多くみられ、加齢やホルモンバランス、血流低下が関係していると考えられています。

主な症状

突然の激しい肩の痛み(とくに夜間)
肩がまったく動かせないほどの強い痛み(急性期)
慢性期には鈍い痛みや肩こり感
腕が上がらない、服を着にくいなどの可動域制限

石灰沈着性腱板炎のタイプ

◆ 急性型

  • 強い炎症が起こり、安静にしていても痛い
  • 夜間の痛みが特に強く、睡眠障害を引き起こすことも

原因は?

石灰がなぜ腱板にたまるのか、はっきりした原因はわかっていませんが、次のような要因が関係しています:

🔹 腱板周囲の血流が乏しい
🔹 加齢による腱の変性(40代以降に増加)
🔹 ホルモンの影響(女性に多いため、エストロゲンが関係している可能性)
🔹 肩の酷使(繰り返し動作や力仕事など)

診断方法

X線検査:石灰が白く映ります(大きさは数mm〜数cm)
超音波(エコー)検査:炎症や石灰の位置・形を確認

治療法(症状の強さに応じて)

● 急性期(激しい痛みがある場合)

  • ステロイド注射:炎症をすばやく抑える
  • 鎮痛薬の内服・外用
  • アイシングと安静
  • エコーガイド下での石灰吸引(穿刺)

● 慢性期(鈍い痛み・可動域制限)

  • 運動器リハビリテーション(関節の動きを回復)
  • 超音波治療などの物理療法
  • 石灰が大きく、肩甲骨の肩峰という骨と接触して痛みが長引く場合は手術(関節鏡手術)を検討することもあります

再発を防ぐには?

石灰沈着性腱板炎は再発率が約50%とされています。以下のような日頃のケアが重要です

🔹 肩を冷やさず、血流を良くする
🔹 定期的な肩のストレッチや軽い運動
🔹 肩の使いすぎ(反復動作・無理な力仕事)は控える

まとめ

石灰沈着性腱板炎は、突然の激しい肩の痛みで日常生活に大きな支障をきたす病気ですが、早期の診断と適切な治療で改善が期待できる疾患です。
痛みが強いときは無理せず、整形外科で早めにご相談ください。

📍 当院では、X線・エコー・MRIによる診断、必要に応じた注射治療、リハビリまで一貫した診療体制を整えております。肩の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください!

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中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会