踵骨骨折とは?
踵骨骨折とは、かかとの骨(踵骨)が折れるケガです。
多くは、
- 高い所からの転落
- 交通事故
- ジャンプ着地時の強い衝撃
などで起こります。
適切に治療しないと、足の形が崩れたり、長く歩きにくくなったりすることがあります。
主な症状
- かかとの強い痛みと腫れ
- 体重をかけられない、歩行困難
- 皮下出血(内出血)
- かかとの幅が広がったように見える(骨折による変形)
「くじいただけ」と思っていても、実は骨折していることもあるため注意が必要です。
原因と病態
原因の例
- 高所から飛び降り・転落
- 交通事故
- スポーツでの高いジャンプや転倒
病態の特徴
- 踵骨が押しつぶされるように折れる圧壊骨折(粉砕骨折)が多い
- 関節の面が崩れると、足全体のバランスが乱れ、
将来的に変形や痛みが残ることがあります
診断(どんな検査をする?)
診察(視診・触診)
- かかとの腫れ・変形・押したときの痛みを確認
レントゲン検査
- 骨折の有無や、骨のずれ・つぶれ具合を評価
MRI検査
- 関節面の崩れや骨折の詳細を確認
- 手術が必要かどうかの判断に役立ちます
治療法
踵骨骨折の治療は、
保存療法(手術をしない治療) と 手術療法 に分かれます。
保存療法(手術をしない治療)
- 骨折のずれが少ない場合が対象
- ギプス固定:6〜8週間前後
- その間は松葉杖を使い、体重をかけない
- 骨癒合後、徐々に荷重を増やし、
インソールや靴型装具で衝撃を和らげる
手術療法(ずれが大きい場合)
- つぶれた骨を整復し、スクリューやプレートで固定
- 関節面が崩れている場合、できるだけ元の形に戻して
歩行機能の回復を目指す - 術後はリハビリで、足首や足部の動きを取り戻します
予後と注意点
- 骨折のずれが大きいほど変形が残るリスクが高くなります
- 関節面の損傷が強いと、
将来的に動きの制限や痛みが残ることがあります - 適切な時期からのリハビリテーションが、
歩行機能の回復にとても重要です
当院での対応
中村整形外科皮フ科では、
- レントゲン・MRIによる正確な診断
- 骨折のタイプに応じた
ギプス固定・手術後フォロー・リハビリ指導 - 日常生活やお仕事・スポーツ復帰を見据えた治療計画
を行っています。
「強くぶつけてから、かかとをつくと激痛が走る」
「捻挫だと思って湿布だけで様子を見ている」
といった場合でも、踵骨骨折が隠れていることがあります。
かかとの痛みや腫れが続くときは、お早めにご相談ください。

執筆者中村 公一
院長 / 整形外科専門医
親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。
- 経歴
- 津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
- 保有資格
- 医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
- 所属学会
- 日本整形外科学会 / 日本関節病学会

