足根骨癒合症(そっこんこつゆごうしょう)とは?

足根骨癒合症とは、本来は別々に動くはずの足根骨(足の甲〜かかとの骨)の一部が、生まれつきくっついている状態です。
成長期のスポーツをきっかけに、足の痛みや動かしにくさとして症状が出ることが多く見られます。


よくある症状

こんな症状はありませんか?

  • 歩いたり運動すると、足の甲やかかと付近が痛い
  • 足の一部を押すとピンポイントで強い痛みがある
  • じっとしているときの赤み・熱っぽさはあまりない
  • 土踏まず〜親指の裏側にしびれを感じることがある
  • 足の外側が張っていて、足首や足の動きがかたい
  • 足の一部に「骨のでっぱり」のようなものを触れる

1つでも当てはまる場合は、足根骨癒合症が隠れている可能性があります。


原因・なりやすいタイプ

  • 先天的な骨の発育の違いが主な原因と考えられています
  • 骨同士がくっついているため、周囲の関節に負担がかかり、痛みが出やすくなります
  • 成長期に、部活やスポーツで負担が増えると症状が強くなりやすいです

癒合しやすい場所の例

  • 距骨と踵骨の間(もっとも多い)
  • 踵骨と舟状骨の間
  • 舟状骨と第1楔状骨の間

検査・診断

当院では、次のような検査を組み合わせて診断します。

  • 視診・触診:歩き方、痛みの場所、足の形をチェック
  • レントゲン検査:骨の形や癒合の有無を確認
  • MRI検査:癒合している部位や範囲を立体的に詳しく評価

スポーツ歴や痛みが出るタイミングも、診断のヒントになります。


治療方法

症状の程度や、生活・スポーツの状況に合わせて治療法を選びます。

保存療法(手術をしない治療)

  • スポーツや激しい運動の制限
  • インソール(足底挿板)で負担を分散
  • 靴の調整(クッション性の高い靴・足に合った靴の選択)
  • ギプスや装具で一時的に固定し、痛みを軽減

※成長期〜活動量が多い時期は、症状が出たり落ち着いたりを繰り返すことがあります。

手術療法(痛みが強い・長引く場合)

  • 癒合部位の切除
  • 場合によっては**鏡視下手術(関節鏡を使う低侵襲手術)**も選択肢になります
  • 距骨・踵骨間の癒合症では、ガングリオン(良性のしこり)を同時に切除することもあります

手術を行った場合も、術後のリハビリで足の動きを回復させることが大切です。


当院での対応

中村整形外科皮フ科では、

  • 整形外科専門医による診察・画像検査
  • インソールや装具、運動指導などの保存療法
  • 必要に応じた専門施設への紹介

を行い、「スポーツを続けたい」「日常生活で困らないようにしたい」というお気持ちに寄り添いながら治療方針を一緒に考えます。

部活中の足の痛みが続くお子さんや、運動時の違和感が気になる方は、お早めにご相談ください。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会