先天性内反足(せんてんせいないはんそく)について

どんな病気?

先天性内反足は、生まれつき足先が内側と下を向き、足の裏が内側に向いている足の変形です。
足全体が硬く、手で少し動かしたくらいでは簡単にまっすぐになりません。
そのまま成長すると、歩き方や痛みの原因になることがあります。


主な症状

  • 足先が内側・下向きになっている
  • 足の裏が内側を向いている
  • 変形が残ると、かかとが床につきにくい
  • つま先が内側を向く「内股ぎみの歩き方」になる
  • 成長後、関節炎や疲労骨折・タコ・潰瘍ができやすく、痛みの原因になることもある

原因・病態のポイント

原因ははっきりわかっていませんが、

  • 足の骨の配列の異常(尖足・内反・内転・凹足)
  • 筋肉・腱・靭帯・関節包の短縮(硬く縮んでいる)
  • 成長とともに足が小さくなりやすい

といった特徴が組み合わさって起こると考えられています。


診断・検査

  • 診察(視診・触診)で足の向き・変形の程度を確認
  • 必要に応じてレントゲンで骨の並び(配列)を評価し、治療方針を検討します

治療の考え方

早期治療がとても重要です。
変形の程度や月齢・年齢に応じて、次のような治療が行われます。

保存療法(手術をしない方法)

  • ギプス矯正(ポンセッティ法 など)
    └ 新生児期から段階的にギプスで足の位置を矯正していきます
  • 装具療法(ブレース)
    └ ギプス治療後に装具を使い、変形の再発を防ぐ

手術療法(重度・保存療法で不十分な場合)

  • 筋・腱・靭帯・関節包をゆるめる手術(軟部組織手術)
  • 骨の形を整える骨切り術
  • 痛みが強い場合などには関節固定術が行われることもあります

治療後も、装具やリハビリを継続して足の機能を守ることが大切です。


当院でできること

中村整形外科皮フ科では、

  • 足の変形や歩き方の診察
  • 必要な画像検査(レントゲンなど)
  • 先天性内反足が疑われる場合の専門医療機関へのご紹介

を行っています。

お子さまの足の形や歩き方が気になる方は、
「様子を見ていて大丈夫かな?」と悩まず、早めにご相談ください。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会