モートン神経腫とは?
モートン神経腫は、足の指と指のあいだを通る神経が圧迫されて太くなり、痛みやしびれが出る病気です。
とくに3本目と4本目の指のあいだに多くみられます。
主な症状
こんな症状があれば、モートン神経腫の可能性があります。
- 歩くと足指のつけ根〜指先にかけての痛み・しびれ・ピリピリ感
- 靴を履くと強く痛み、靴を脱ぐと少し楽になる
- 足指のつけ根部分(趾間)を横から押すと「ズキッ」と痛む
- ときどき焼けるような痛み(灼熱感)がある
- 安静にしていても痛みやしびれが続くことがある
原因
- ハイヒール・幅の狭い靴で前足部が強く圧迫される
- 長時間の立ち仕事・歩行
- ランニングやジャンプの多いスポーツ
- 外反母趾・開張足(横アーチがつぶれた足)など、足の変形
こうした負担が神経をじわじわ圧迫し続けることで、神経が太くなって痛みの原因になります。
診断
- 診察(視診・触診)
└ 足指のあいだをつまむ・押すことで再現する痛みやしこりを確認 - レントゲン
└ 骨の変形や外反母趾などの有無をチェック - エコー・MRI
└ 神経腫や滑液包の有無を評価することもあります
治療
保存療法(まずは手術をしない治療)
- 靴の見直し
└ 幅広でつま先に余裕のある靴、ヒールの低い靴に変更 - インソール・中足骨パッド
└ 指のつけ根への荷重を分散し、神経の圧迫を減らす - 薬・注射
└ 痛み止め・湿布
└ ステロイド+局所麻酔薬の注射で痛みが軽くなることもあります(数回で約半数が改善とされます)
手術療法(保存療法で改善しない場合)
- 足の甲または足裏を小さく切開し、
神経を圧迫している靭帯を切ったり、神経腫そのものを切除したりします。 - 手術後は、適切な靴選びと負担の少ない歩き方が大切です。
当院での対応
中村整形外科皮フ科では、
- 症状と診察所見からモートン神経腫をしっかり評価
- 靴・インソール・生活動作のアドバイス
- 必要に応じた薬物療法・注射
- 手術が必要な場合は、連携病院の紹介
などを行い、「できるだけ足に負担をかけずに、日常生活や仕事・スポーツを続けられること」を目標に治療していきます。
足の痛みやしびれが続く方は、早めにご相談ください。
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執筆者中村 公一
院長 / 整形外科専門医
親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。
- 経歴
- 津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
- 保有資格
- 医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
- 所属学会
- 日本整形外科学会 / 日本関節病学会

