外反母趾(がいはんぼし)について

外反母趾は、足の親指が小指側に曲がり、付け根が出っ張ってくる変形です。
女性に多く、合わない靴・足の筋力低下・扁平足・家族歴などが関係します。


主な症状

  • 親指の付け根が腫れて、靴に当たると痛い
  • 親指が「く」の字に曲がってきた
  • 歩くと足の親指まわりや足裏が痛い
  • 足裏の横アーチがつぶれ、タコ・魚の目ができやすい
  • 変形が進むと、ほかの指まで曲がって重なってくる

原因

  • 先の細い靴・ハイヒールで前足部が圧迫される
  • 足の筋力低下やアーチの崩れ(扁平足・開張足)
  • 親や祖父母に外反母趾がある(体質・遺伝)
  • 加齢による靭帯のゆるみ

診断

  • 診察(見た目・変形・押したときの痛み)
  • レントゲン検査
    • 親指と中足骨の角度(外反母趾角)
    • 変形の進行度
      を確認し、治療方針を決めます。

治療(保存療法が基本です)

  • 靴の見直し
    └ つま先にゆとりがあり、クッション性のある靴に変更
  • インソール・装具
    └ 足底挿板(インソール)でアーチを支え、負担を分散
    └ 夜間用の外反母趾装具を使うこともあります
  • 足の体操(リハビリ)
    └ 足指を開く体操・ストレッチ
    └ ゴムひもを使ったホーマン体操 など
  • 痛みが強い場合
    └ 内服薬・湿布・場合により注射で炎症と痛みを抑えます

※変形が強く、保存療法でも痛みが続く場合は、
 骨切り術などの手術治療が必要になることもあり、適切な専門医療機関をご紹介します。


当院での対応

中村整形外科皮フ科では、

  • 外反母趾のレントゲン評価
  • インソール・靴の選び方のアドバイス
  • 足の体操(ホーマン体操など)の指導
  • 痛みが強い方への薬物療法・注射
  • 必要に応じて手術可能な病院への紹介
  • 足裏のタコ・魚の目は皮膚科と連携して処置

などを行い、「痛みを減らし、歩きやすくする」ことを目標に治療しています。


症例紹介

50代・男性 左足裏の痛み

  • 左足底の親指のあたりに痛み
  • 足裏に魚の目、レントゲンで外反母趾を認める
  • 当院で足の体操(ホーマン体操)を指導し、インソールを作成
  • 皮膚科で足底の鶏眼(うおのめ)を削る処置を行い、痛みは改善

整形外科と皮膚科が連携することで、痛みの原因にあわせた治療が可能です。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会