フライバーグ病について

フライバーグ病とは?

フライバーグ病(Freiberg病)は、
足の第2・第3中足骨の先端(骨端)に負担がかかり、骨が傷んだり壊死してしまう病気です。

  • 特に成長期の女の子に多い
  • サッカー、バスケットボール、ダンスなど、走る・跳ぶスポーツとの関連が指摘されています

主な症状

こんな症状はありませんか?

  • 足の甲(特に第2〜3趾の付け根)が痛い
  • 歩いたり走ったりすると痛みが強くなる
  • その部分が腫れていて、押すと痛い
  • 指のつけ根の関節がこわばる・動かしにくい
  • 症状が長引くと、指の付け根の関節が変形してくる

放っておくと関節の変形が進み、慢性的な痛みが残ってしまうこともあります。

原因・病態

フライバーグ病の原因は、中足骨への繰り返しの負担と考えられています。

  • スポーツや長時間の立ち仕事による足への負荷
  • 成長期で、骨の血流が不安定な時期
  • ハイアーチや外反母趾など、足の形による影響
  • サイズが合わない靴・硬い靴による圧迫

これらの要因で中足骨の血流が悪くなり、
骨端への血流不足(虚血) → 骨が弱くなる・壊死する
という流れで進行すると考えられています。

診断方法

  • 診察(視診・触診)
    └ 痛みの場所・腫れ・圧痛の有無を確認
  • X線(レントゲン)検査
    └ 中足骨の骨壊死や関節の変形の程度を評価
  • MRI検査
    └ 初期の骨の変化や軟骨の状態を詳しく評価

※初期にはレントゲンで変化が出ないこともあるため、
 MRIが診断に役立つことがあります。

治療方法

症状の程度やレントゲン所見に応じて、
保存療法(手術なし)を基本に、必要なら手術を検討します。

保存的治療(手術をしない治療)

  • 安静・負荷の軽減
    └ スポーツや長時間の歩行を控え、足への負担を減らす
  • 靴の見直し
    └ クッション性の高い靴、衝撃を吸収する靴底
  • 足底挿板(インソール)の使用
  • 消炎鎮痛薬(飲み薬・湿布)
  • リハビリ
    └ 足のストレッチ・筋力トレーニングで負担分散

手術療法(変形が強い場合・痛みが強い場合)

  • 変形した骨を削ったり、形を整える 骨切除・形成手術
  • 関節の変形が進んでいる場合は、関節固定術
  • 重度の骨壊死では、骨移植を行うこともあります

当院での対応

中村整形外科皮フ科では、

  • 診察・レントゲン・MRIによる評価
  • スポーツ活動や学校生活も考慮した治療計画
  • インソール・靴の指導
  • リハビリによる再発予防

などを行い、早期回復と将来の足の変形予防を目指します。
足の甲の痛みや違和感が続く場合は、早めにご相談ください。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会