肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、肩の関節まわりに炎症が起こり、強い痛みや肩の動きの制限が出る病気です。
「炎症期 → 拘縮期 → 回復期」と3つの段階をたどります。
腱板断裂と似た症状を示すこともあるため、当院ではMRI検査で腱板が切れていないかを確認しています。
炎症期(発症〜約3ヶ月)
特徴
痛みが最も強く、夜間にズキズキ痛むことが多い時期です。
主な症状
- 安静時でも痛む
- 腕を動かすと鋭い痛みが走る
- 夜間痛で眠れない
治療
痛みを抑える治療を中心に行います。
💉 注射・薬物療法
- 消炎鎮痛薬・湿布
- ステロイド関節内注射(強い炎症を抑える)
- ヒアルロン酸注射(関節の潤滑を保つ)
- 関節内スペースの拡張注射(関節包を広げて癒着をとる)
- エコーガイド下ハイドロリリース(癒着や神経の圧迫をリリース)
- 簡易動注治療(もやもや血管を減らして痛みを鎮める)
♨️ 日常ケア
- 無理に動かさず安静に
- 温めることで血流を促進(入浴など)
拘縮期(3ヶ月〜半年)
特徴
痛みは軽くなるものの、肩が固まって動かない時期です。
主な症状
- 肩の可動域が狭くなる
- 髪を結ぶ、服を着る動作が困難
治療
💉 注射・ハイドロリリース
- ヒアルロン酸注射、関節拡張注射で動きを改善
- 腋窩神経(脇の下の神経)が圧迫されることがあり、
エコーガイド下で神経をリリースすることで、痛みの軽減と可動域の回復を促します。
🏋️ リハビリ・温熱療法
- 理学療法士による可動域訓練
- ホットパックなどで温めて血流改善
- 「痛みを我慢しすぎず、適度に動かす」ことが大切です。
💤 サイレントマニピュレーション(必要に応じて実施)
- 麻酔下で関節を安全に動かし、癒着を剥がして可動域を早期に回復させる方法です。
- 手術をせずに短時間で改善することもあります。
- 治療後はリハビリで動きを維持します。
回復期(半年〜1年)
特徴
痛みが軽くなり、肩の動きが少しずつスムーズになってくる時期です。
主な症状
- 肩の可動域が広がる
- 日常生活動作(服を着る・物を取る)が楽になる
治療
🏋️ 積極的なリハビリ
- ストレッチや筋トレで機能を回復
- ゴムチューブ運動などで再発予防
💆 神経・筋リリースの継続
- 神経圧迫を緩和して筋緊張を軽減
- リハビリと組み合わせてスムーズな回復を促進
💡 日常生活の工夫
- 無理のない範囲で肩を使う
- 動かす習慣をつけて再発を防止
当院での治療の流れ
1️⃣ 問診・エコー・MRIで原因を特定
2️⃣ 炎症期には注射・動注療法・ハイドロリリースで痛みを抑える
3️⃣ 拘縮期にはリハビリ・サイレントマニピュレーションで動きを改善
4️⃣ 回復期には筋力強化・再発予防のリハビリを実施
このような方はご相談ください
- 肩がズキズキして眠れない
- 髪を結ぶ・背中に手を回す動作がつらい
- 数ヶ月前から肩が固まってきた
- 注射やリハビリをしても治らない
当院では、エコーガイド下注射・ハイドロリリース・簡易動注治療・サイレントマニピュレーションなど、
状態に合わせた最適な治療を行っています。
📍 津市 中村整形外科皮フ科
MRI・エコー完備/理学療法士常駐
エコーガイド下注射・ハイドロリリース・簡易動注治療・サイレントマニピュレーション対応
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執筆者中村 公一
院長 / 整形外科専門医
親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。
- 経歴
- 津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
- 保有資格
- 医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
- 所属学会
- 日本整形外科学会 / 日本関節病学会

