急性と加齢性の違い
- 急性損傷(外傷)
捻挫・接触などを契機に発症。腫れや鋭い痛み、ロッキング(引っかかり)を伴うことがあります。 - 加齢性変化(変性断裂)
年齢と共に水分が減り脆くなった半月板に細かな亀裂。立ち上がりや階段での鈍い痛みが続くタイプ。
手術を考える目安
- ロッキングを繰り返す/膝が動かなくなることがある
- 腫れ(水腫)が持続・反復する
- 競技復帰後も痛みや引っかかりが再燃する
※最終判断は診察と画像所見(MRI等)で行います。
治療(当院の方針)
急性期
- 安静・アイシング
- ヒアルロン酸注射(潤滑を改善し痛みを緩和)
- 必要に応じて装具・杖で負担軽減
慢性期(加齢性断裂など)
- リハビリ:筋力・柔軟性・動作最適化で負担分散
- 注射:ヒアルロン酸/ステロイド(炎症が強い場合に短期使用)
- インソール:アライメント補正で内外側の荷重を調整
痛みの鑑別に応じて
- 内側痛+圧痛が浅い・擦れる痛み:MCL滑液包炎の合併で
ステロイド注射が有効なことがあります(適応は診察で判断)
手術適応
- ロッキングが強い/反復する場合は関節鏡手術を検討
受診の目安
- 急に膝が伸びない・曲がらない
- 階段・しゃがみで痛みが続く
- 腫れ(膝に水)を繰り返す

治療
- 急性の場合は安静・アイシング・ヒアルロン酸注射
- 慢性の半月板の内側の痛み➡ MCL滑液包炎はステロイド注射が著効
- 慢性の加齢による断裂の場合はリハビリやヒアルロン酸注射、ステロイド注射、インソールによる負担軽減
- ロッキングが強い場合は関節鏡手術を検討
注意が必要な半月板損傷はこちら
次のタイプ・所見は要確認/早期相談が必要です。
- バケツ柄断裂(Bucket-handle):反復するロッキング・可動域制限
- 内側半月板後根断裂:急な内側痛・体重時の抜け感/関節面の沈下リスクがあり、早期に手術が必要です。
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執筆者中村 公一
院長 / 整形外科専門医
親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。
- 経歴
- 津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
- 保有資格
- 医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
- 所属学会
- 日本整形外科学会 / 日本関節病学会

