もやもや血管に対する簡易動注療法

もやもや血管に対する簡易動注療法

― 簡易動注療法(かんいどうちゅうりょうほう)を2025年7月より開始します ―

■ 簡易動注療法とは?

簡易動注療法は、近年注目されている「もやもや血管」に着目した新しい痛み治療法です。

整形外科疾患において慢性的な痛みや腫れの原因が、異常な新生血管(もやもや血管)であるという最新の知見に基づき開発されました。

この治療では、超音波で異常血管の状態を確認しながら、その周囲に薬剤を注入します。異常な血流を収縮・消失させることで、炎症や痛みの軽減を図ります。
これまで母指CM関節症やヘバーデン結節などの関節痛に対して、装具の使用や鎮痛薬、注射、エクオール、漢方薬の処方など、さまざまな治療を行っても痛みが改善しない場合、手術以外に有効な選択肢がないのが現状でした。
しかし、簡易動注療法は、そのような方にとって手術以外の有効な治療法となり得ます。

この治療はオクノクリニックの奥野先生によって2014年に開発されたものです。
当院はオクノクリニックとライセンス契約を結び動注治療を行なっております。

■ 治療の原理

関節の痛みや腫れが長引く背景には、以下のようなメカニズムがあります:

  1. 軟骨や関節で炎症が起こる
  2. その部位に新生血管(もやもや血管)が形成される
  3. 血管に沿って痛みを伝える神経線維が入り込み、痛みが持続
  4. 異常な血流が炎症を悪化させ、慢性痛へ移行

簡易動注療法では、この異常血管に対して薬剤を注入し、血流をコントロールすることで症状の改善を目指します。


■ 当院での適応疾患

当院では、以下の手の変形性関節症に対して簡易動注療法を行っています:

  • ヘバーデン結節
     … 指の第一関節に起こる痛み・変形・腫れ
  • ブシャール結節
     … 指の第二関節に生じる腫れ・変形
  • 母指CM関節症
     … 親指の付け根の関節に生じる痛みやつまみ動作の支障

これらの疾患は、更年期以降の女性男性に多くみられます。
従来の保存的治療では痛みが十分に緩和されない方に、新たな選択肢としてご提案しています。

■ 特徴とメリット

特徴内容
外来で受けられる日帰りで実施可能。麻酔不要または局所麻酔のみで対応
低侵襲切開不要。体への負担が少ない治療法
高い安全性超音波ガイド下で正確に薬剤を注入
対象となる方保存療法で効果がなかった方、手術を避けたい方

■ 費用(自費診療)

治療名費用(税込)備考
簡易動注療法(1回)27,500円健康保険は適用されません

📌 注意事項

  • 本治療は保険適用外自由診療です。
  • 効果には個人差があり、症状に応じて数回の治療が必要になることがあります。
  • 診察時に医師が適応を判断し、十分にご説明いたします。

■ よくあるご質問

Q. 保険は使えますか?
→ 本治療は自由診療(自費診療)です。料金は診察時にご説明いたします。

Q. どんな薬を使いますか?
→ もやもや血管を塞栓する作用のある薬剤を少量使用します。正常な血管の血流は一時的に阻害されますが速やかに再開通することが知られています。副作用は少なく、安全に配慮して実施します。

Q. 処置の時間はどれくらいですか?
→ エコーで血管を確認しながらの注射は3〜5分程度で終わります。注射後は約3分間圧迫止血を行います。
その後、体調確認のため15〜20分ほど院内で経過観察を行い、問題がなければご帰宅いただけます。

Q. 注射の効果はいつ頃から現れますか?
→ 効果が出るまでには個人差がありますが、通常は注射から3〜4週間後に痛みの軽減などの効果が現れます。
特にへバーデン結節母指CM関節症では、1か月間隔で2回注射することで、より高い効果が期待されます。そのため、初回の注射から1か月後に2回目の注射をおすすめしています。

Q. 効果はどのくらい続きますか?
→ 個人差はありますが、数週間〜数か月間の症状緩和が期待できます。必要に応じて繰り返しの治療も可能です。


■ ご相談・ご予約について

指の痛みが長く続いている」「今までの治療ではなかなか改善しなかった」という方は、ぜひご相談ください。

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