その他

尋常性乾癬について

乾癬(かんせん)は、皮膚に明確な赤い発疹が多数現れ、その表面に銀白色の厚い角質(鱗屑)が付着する慢性的な皮膚疾患です。頭皮や髪の生え際、肘、膝、臀部(おしり)、大腿部(ふともも)など、外部から刺激を受けやすい部位に発症しやすく、爪にも影響を及ぼすことがあります。約半数の患者でかゆみを伴いますが、感染症ではないため、他の人にうつることはありません。

乾癬は遺伝的要因と環境要因が組み合わさることで発症するとされており、日本人の有病率は約0.4%と報告されています。男女比は2:1で、男性に多い傾向があります。

中村整形外科皮フ科では、皮膚科専門医が乾癬の診断・治療を行います。津市で乾癬にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

症状

乾癬の主な特徴として、以下のような現象が見られます。

  • 蝋片(ろうへん)現象:鱗屑が蝋のように白く、簡単に剥がれ落ちる。
  • アウスピッツ現象:鱗屑を剥がし続けると、点状に出血する。
  • ケブネル現象:皮疹のない部位に持続的な刺激を与えると、新たな皮疹ができる。

また、近年ではメタボリックシンドローム(メタボ)との関連性が指摘されており、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病を併発しているケースもあります。

診断

乾癬の診断には、以下のような検査を行うことがあります。

  •  皮膚生検(皮膚の一部を採取し、顕微鏡で詳細に分析)
  • 関節症状を伴う場合(関節症性乾癬)
     → 関節リウマチとの区別が必要なため、以下の検査を実施
    • 血液検査
    • X線撮影
    • MRI

当院には整形外科専門医も在籍しており、関節症状がある場合でも適切な診断・治療が可能です。

治療

乾癬治療の目標は、皮疹の改善関節症状の緩和(関節症性乾癬の場合)、生活の質(QOL)の向上です。治療法は以下の4つに大きく分けられ、症状の重症度や患者様の希望に応じて選択・組み合わせます。

 1. 外用療法(塗り薬)

最も一般的な治療法で、ステロイド外用薬ビタミンD3外用薬が用いられます。
最近では、これらを組み合わせた配合薬も登場し、より高い効果が期待できます。

 2. 光線療法(紫外線治療)

皮膚に特定の紫外線(UVBやPUVA)を照射する治療法で、外用療法内服療法と併用すると効果的です。詳細はこちら 

 3. 内服療法(飲み薬)

免疫抑制剤抗炎症薬を用いて、炎症を抑えます。

 4. 生物学的製剤(注射治療)

重症の乾癬に対して、ターゲットとなる免疫反応を抑える新しい治療法です。
従来の治療が効かない場合や、症状が広範囲に及ぶ場合に適応されます。

生物学的製剤をご希望の場合は、適切な病院をご紹介させて頂きます。

まとめ

乾癬は長期間のコントロールが必要な疾患ですが、適切な治療を受けることで症状を抑えることができます。
中村整形外科皮フ科では、皮膚科専門医による適切な診断と治療を提供し、患者様の生活の質向上をサポートいたします。

津市で乾癬の治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください!

中村 文香

執筆者中村 文香

副院長 / 皮膚科専門医

皮膚科医として、皆様のお悩みに寄り添い、地域に根ざした診療を心掛けています。お困りの際はぜひご相談ください。

経歴
伊勢高等学校 卒業/関西医科大学医学部 卒業/三重大学皮膚科学講座入局/三重大学附属病院/関西医科大学付属病院/南伊勢町立病院/松阪市民病院/松阪中央病院/鈴鹿回生病院/ラベールミラクリニック(名古屋市内)/大手美容皮膚科(大阪市内) など
保有資格
日本専門医機構認定皮膚科専門医/産業医/難病指定医/日本化粧品検定1級/化粧品成分検定1級
所属学会
日本皮膚科学会