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原因がはっきりしない体の痛みや疲れ…実はフェリチン不足(鉄欠乏)が関係していることがあります

原因がはっきりしない体の痛みや疲れ…実はフェリチン不足(鉄欠乏)が関係していることがあります

実はフェリチン不足(鉄欠乏)が関係していることがあります

原因がはっきりしない体の痛みや疲れ。
「検査では異常がない」と言われて、不安になっていませんか?

実は、一般的な健康診断では調べない“フェリチン(体に蓄えてある鉄)”の不足が、
痛みや疲労感に関係していることがあります。

この記事では、
「なぜ鉄不足で痛みがつらくなることがあるのか」を、できるだけわかりやすく説明します。


フェリチンとは?

フフェリチンは、体に蓄えてある鉄(貯蔵鉄)の目安です。

イメージは「貯金」です。

  • フェリチン:鉄の貯金
  • ヘモグロビン(Hb):毎日使うお金

貯金(フェリチン)が減っても、しばらくは生活(Hb)は保てます。
そのため、フェリチンが低いのに貧血はないことも珍しくありません。


結論:鉄不足は「痛みを強くする要因」になり得ます

フェリチン不足は、痛みを“直接作る”というより、
痛みを強く感じやすくする/長引かせやすくする要因になることがあります。

ここから、その理由を3つに分けて説明します。

理由① 痛みのブレーキが弱くなる(セロトニン)

痛みは、体の異常だけで決まるわけではありません。
脳から脊髄へ送られる 「痛みを和らげる指令(痛みのブレーキ)」 でも調整されています。

このブレーキに関わる物質の一つが、セロトニンです。

鉄は、セロトニンがうまく働くための土台に関わっています。
そのため鉄が不足すると、

  • 痛みを抑える力が落ちる
  • 同じ刺激でも痛みを強く感じやすい

といったことが起こる可能性があります。

※「必ずそうなる」という意味ではありません
痛みを悪化させる要因の一つとして考えます


理由② 睡眠の質が落ちて、痛みが増えやすい

鉄不足は、セロトニンだけでなく
睡眠や不快感に関わる仕組みにも影響することがあります。

睡眠が浅くなると、痛みは強く感じやすくなります。

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に目が覚める
  • 眠りが浅い
  • 夜に脚が落ち着かない(ムズムズする)

こんな症状がある方は、鉄不足が関係している場合があります。


理由③ 筋肉が疲れやすく、回復しにくい

鉄は、体がエネルギーを作るためにも必要です。

不足すると、

  • だるい
  • 筋肉が張る
  • こむら返りが多い
  • 運動後の痛みが抜けにくい

といった形で、つらさが増えることがあります。


こんな方は「鉄不足チェック」がヒントになるかも

次の項目に当てはまる方は、鉄不足が関係している可能性があります。

月経量が多い/偏食がある

原因がはっきりしない体の痛みが続く

疲労感・だるさが強い

肩こり・背中の張りが強い

痛みが長引きやすい

睡眠の質が悪い

夜に脚がムズムズする


検査の基本:フェリチンだけでは判断しません

鉄不足を調べるときは、フェリチン単独では判断しません。
通常は次の組み合わせで評価します。

  • フェリチン:体の鉄の貯金
  • TSAT(トランスフェリン飽和度):今使える鉄の目安
  • Hb(ヘモグロビン):貧血の有無
  • CRP:炎症の有無(炎症があるとフェリチンが高く見えることがあります)

つまり、
「フェリチンが正常っぽい」=鉄不足が否定できる
とは限らないことがあります。


鉄不足が見つかったらどうする?

鉄不足が見つかったら、

  1. 原因(食事・出血・吸収など)を確認
  2. 必要に応じて鉄補充(内服/場合により注射)
  3. 痛みの治療は並行して継続

という流れになります。

※自己判断で鉄剤を飲み始めるのはおすすめしません
体質や持病によって注意が必要な場合があります。

まとめ

  • フェリチンは「体に蓄えてある鉄」の目安
  • 鉄不足は、痛みを“強く/長引きやすく”することがある
  • セロトニン(痛みのブレーキ)や睡眠、筋疲労が関係し得る
  • 検査はフェリチンだけでなく、TSAT・Hb・CRPも含めて判断する

最後に

痛みや疲れが続くときは、無理せず一度ご相談ください。
必要に応じて、症状に合わせた検査(鉄の評価を含む)をご提案します。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会