当院でのクーリーフの治療成績のご報告
対象期間:2025年6月27日〜2025年12月26日
中村整形外科皮フ科では、膝の痛みに対する新しい選択肢として
「クーリーフ(冷却ラジオ波治療)」を行っています。
この記事では、当院でクーリーフ治療を受けられた患者さんの
途中経過(治療成績)を、なるべくわかりやすくご紹介します。
1.クーリーフ治療とは?
クーリーフは、
膝の関節のまわりにある「痛みを感じる神経」に熱を加えて、痛みを和らげる治療
です。
- 膝の骨や軟骨の変形そのものを元に戻す治療ではありません。
- 痛みを軽くすることで、
- 歩きやすくなる
- 夜間の痛みが減る
- 日常生活が少し楽になる
ことを目標としています。
- 全身麻酔は不要で、多くの方は日帰りまたは短期間の通院で受けられます。
2.痛みの強さの測り方(NRS)とは?
当院では、クーリーフ治療の前後で、
痛みの変化を数字で評価しています。
NRS(Numerical Rating Scale)とは?
痛みの強さを 0〜10点 の数字で表す方法です。
- 0点:痛みがまったくない
- 10点:これ以上ないほど強い痛み
診察の際に、
「今の膝の痛みは 0〜10 のうち何点くらいですか?」
とお伺いし、治療前後の変化を見ています。
3.当院でのクーリーフ治療の対象
このブログでご紹介するデータは、以下の患者さんが対象です。
- 期間:2025年6月27日〜2025年12月26日
- 当院で膝のクーリーフ治療を受けられた方:
19名・22膝(実施件数:22膝)
このうち、痛みのスコア(NRS)が記録されていて
集計に使えた膝の数は次の通りです。
- クーリーフ前:20膝
- 術後1か月:15膝
- 術後3か月:10膝
「クーリーフ前」と「同じ膝の術後」の両方のNRSがそろっていて、
前後の比較に使えた膝は、
- 術後1か月:12膝
- 術後3か月:7膝
平均年齢は 約77歳(62〜92歳) でした。
主に高齢の変形性膝関節症の方が中心です。
4.痛みの平均値の変化(NRS)
まずは、クーリーフ前後での痛みの平均点です。
クーリーフ前後の痛みの変化(NRS)
| 評価時期 | 集計対象の膝数 | 平均NRS(0〜10) |
|---|---|---|
| クーリーフ前 | 20膝 | 5.8点 |
| 術後1か月 | 15膝 | 3.0点 |
| 術後3か月 | 10膝 | 3.4点 |
おおまかに言うと、
治療前は「6点前後」の痛みが、
治療後1〜3か月の時点では「3点台前半」まで軽くなっている
という結果でした。
5.同じ膝で見た「どれくらい良くなったか」
次に、「同じ膝で治療前と治療後を比較できた症例」のみを見ています。
● クーリーフ前 vs 術後1か月(12膝)
- クーリーフ前:5.4点
- 術後1か月:3.1点
- 平均の改善:2.3点
改善度の内訳(12膝中):
- 2ポイント以上 良くなった膝:8膝(約66.7%)
- 「痛みが半分以下」になった膝:6膝(50.0%)
● クーリーフ前 vs 術後3か月(7膝)
- クーリーフ前:5.6点
- 術後3か月:3.0点
- 平均の改善:2.6点
改善度の内訳(7膝中):
- 2ポイント以上 良くなった膝:4膝(約57.1%)
- 「痛みが半分以下」になった膝:4膝(約57.1%)
平均すると、
1〜3か月の時点で「2〜2.5点くらい」痛みが軽くなっている
というイメージです。
6.「あまり気にならないレベル(NRS≦3)」になった方の割合
痛みの数字が 3点以下
(=日常生活でそれほど大きな支障がないレベル)になっている膝の割合です。
- クーリーフ前:20膝中 5膝(25%)
- 術後1か月:15膝中 9膝(約56%)
- 術後3か月:10膝中 7膝(70%)
治療前に比べて、
「痛みがあまり気にならない」レベルまで落ち着いた方が増えている
という結果でした。
7.治療効果についての大切な注意点
また、クーリーフは
- 「膝の変形そのものを治す治療」ではありません。
- 「将来の人工関節手術を完全に避けられることを保証する治療」でもありません。
多くの方では、
運動療法(リハビリ)・体重管理・内服薬・ヒアルロン酸注射などと組み合わせて、
より良い結果を目指す治療
という位置づけになります。
8.今後について
- 現時点では、術後1〜3か月の短期成績は良好な傾向が見られています。
- 一方で、6か月以上の長期的な効果については、まだ症例数が少なく、評価の途中です。
当院では今後も、
- クーリーフ治療を受けられた患者さんのデータを継続的に集め、
- 治療の効果
- 効果の持続期間
- どのようなタイプの方に向いているか
について、より詳しく検討していく予定です。
9.クーリーフ治療をご検討中の方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 「ヒアルロン酸注射や飲み薬だけでは、まだ膝の痛みがつらい」
- 「手術はできれば避けたい、あるいはもう少し先にしたい」
- 「歩くときや階段の上り下りがつらくなってきた」
このような場合、クーリーフ治療が選択肢のひとつになることがあります。
ご自身の膝の状態や、これまでの治療歴、生活スタイルなどを踏まえながら、
クーリーフが向いているかどうか
他の治療法と比べてどうか
を、一緒に相談しながら決めていきましょう。
ご不明な点や不安な点があれば、
診察の際に遠慮なくご質問ください。
*
個人が特定されないよう匿名化・統計処理を行い、集計・公開しています。

執筆者中村 公一
院長 / 整形外科専門医
親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。
- 経歴
- 津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
- 保有資格
- 医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
- 所属学会
- 日本整形外科学会 / 日本関節病学会

