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季節の変わり目に増える“花粉性皮膚炎”

季節の変わり目に増える“花粉性皮膚炎”

厳しい暑さが続いた夏もようやく終わりを迎え、朝晩はだんだんと過ごしやすくなってきました。
そんな季節の変わり目は、気温や湿度の変化が大きく、体調だけでなくお肌にも影響があらわれやすい時期です。特に敏感肌の方は「いつものケアでは追いつかない」と感じることも少なくありません。今回は、この時期に多い肌トラブルについてご紹介します。

花粉性皮膚炎ってなに?

花粉症といえば「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ」を思い浮かべる方が多いですが、実は 花粉が皮膚に付着することで赤みやかゆみを起こす皮膚炎 もあります。これを「花粉性皮膚炎」と呼びます。
特に 顔・首・まぶた・手の甲 など、外気にさらされやすい部位に症状が出やすいのが特徴です。

症状の特徴

  • 顔や首に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感
  • 乾燥し粉をふいたような状態になる
  • 湿疹やポツポツとした発疹が出る

これらの症状は、春だけでなく、秋(イネ科・ブタクサ・ヨモギなど)にも増える症状です。
アトピー性皮膚炎や敏感肌の方は、特に発症しやすく、症状が強く出ることがあります。

なぜ花粉で皮膚炎が起こるの?

花粉が皮膚に付着すると、アレルギー反応によって炎症が生じます。
さらに、秋は空気が乾燥し始めるため、バリア機能が低下した肌が外的刺激に反応しやすい状態になっています。
この「バリア機能低下」と「花粉刺激」の組み合わせで、皮膚炎が悪化するのです。

対策とセルフケア

1. 花粉から肌を守る

  • 外出時はマスクやメガネ、スカーフなどで顔や首をカバー
  • 帰宅後は洗顔・洗髪で花粉を落とす
  • 衣服も花粉の付きにくい素材(つるつるした生地)を選ぶ

2. スキンケアでバリア機能を高める

  • 低刺激の洗顔料でやさしく洗う
  • 肌バリアを強化し、うるおいをキープする保湿剤をたっぷり使用
  • 紫外線から肌を守る「日焼け止め」を活用する

当院では、肌トラブルを予防のための厳選したスキンケア・サプリメントも取り扱っています。
詳しくは👉こちらをご覧ください。

3. 医療機関での治療

  • 強いかゆみ・赤みには抗炎症外用薬(ステロイドやタクロリムス軟膏など)を適切に処方
  • アレルギー体質が関与している場合は、抗ヒスタミン薬の内服を併用することも
  • 再発予防のために、スキンケアと生活習慣の見直しを指導

まとめ

花粉性皮膚炎は「花粉症の一部」であり、春だけでなく秋にも増える病気です。
「毎年この時期になると顔や首がかゆくなる」 という方は、花粉性皮膚炎の可能性があります。
早めの保湿とバリア機能対策、そして症状が強い場合は皮膚科を受診して治療することが大切です。


初めての方は予約なしで受診できます。
マイナンバー(もしくは保険証)をお持ちの上、下記の皮膚科診療時間に受診してください。お待ちしております。

ご不明な点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせ下さい。
電話📞059-269-5515( 音声ガイダンスは④を押してください)

中村 文香

執筆者中村 文香

副院長 / 皮膚科専門医

皮膚科医として、皆様のお悩みに寄り添い、地域に根ざした診療を心掛けています。お困りの際はぜひご相談ください。

経歴
伊勢高等学校 卒業/関西医科大学医学部 卒業/三重大学皮膚科学講座入局/三重大学附属病院/関西医科大学付属病院/南伊勢町立病院/松阪市民病院/松阪中央病院/鈴鹿回生病院/ラベールミラクリニック(名古屋市内)/大手美容皮膚科(大阪市内) など
保有資格
日本専門医機構認定皮膚科専門医/産業医/難病指定医/日本化粧品検定1級/化粧品成分検定1級
所属学会
日本皮膚科学会