ブログ

Blog

朝起きたら首が痛い!?それ、寝違えかもしれません

朝起きたら首が痛い!?それ、寝違えかもしれません

〜首の寝違えの原因・症状・対処法・予防まで詳しく解説〜

「朝起きたら突然、首が痛くて動かせない」
そんな経験はありませんか?このような症状は「寝違え」と呼ばれ、整形外科の外来でもよくみられる症状のひとつです。今回は、寝違えの原因や症状、治し方、そして再発予防のポイントについてわかりやすく解説します。


寝違えとは?

寝違えとは、首や肩の筋肉・靱帯に一時的な炎症が起こり、首の痛みや動きの制限が生じる状態を指します。

  • 首を動かすと「ズキッ」と鋭い痛みが走る
  • 特定の方向に首を動かせない
  • 痛みが肩や背中まで広がる

といった症状が特徴です。

寝違えは、筋肉や靱帯の捻挫のようなものであり、骨や関節の異常が原因ではないことが多いため、レントゲン検査では明らかな異常が見つからないのが一般的です。


寝違えの原因

寝違えは、就寝中の姿勢や日常生活での首への負担がきっかけになることが多いです。以下のような要因が考えられます:

  • 寝ているときの無理な姿勢(首がねじれた状態など)
  • 枕が合っていない(高すぎる・低すぎる)
  • 冷房や寝汗による首肩の冷え
  • スマホやパソコン作業による首の疲労

寝違えの主な症状

  • 首を動かすと片側が痛い
  • 特定の方向への動きで激痛が出る
  • 肩や背中にまで痛みが放散する
  • 押すと痛い(圧痛)、筋肉の張りやこわばり

寝違えたときの対処法(応急処置)

🔸まずは「安静」が第一です

寝違えた直後は、無理に動かさず安静にしてください。次のような処置が効果的です。

  • 冷湿布やアイシング:炎症を抑えます
  • 痛み止め(ロキソニンなど)の服用
  • 低周波治療や物理療法による筋緊張の緩和
  • 痛み止め注射(トリガーポイントや関節内注射)
  • 必要に応じて、頚椎カラー(首用コルセット)を装着して首を安静に保つ

とくに椎間関節が原因の場合には、関節への注射が非常に効果的で、即座に痛みが軽減することもあります。

多くの場合、1週間以内に自然と改善します。


こんなときはMRI検査も検討を

以下のような場合は、単なる寝違えではなく他の疾患が隠れている可能性があります。整形外科での精密検査(MRIなど)を検討します。

  • 痛みが1週間以上続く
  • 腕や手にしびれ、脱力がある(椎間板ヘルニアの可能性)
  • 発熱や頭痛を伴う(感染症の可能性)
  • わずかな動きでも激しい痛みが出る

再発を防ぐための予防ポイント

寝違えは繰り返しやすい症状でもあります。以下のような予防策を日常に取り入れてみましょう。

  • 自分に合った枕(高さ・硬さ)の見直し
  • 就寝時に首元を冷やさない(ネックウォーマーやタオルなど)
  • スマホ・パソコンの使用時は猫背やうつむき姿勢に注意
  • 首・肩周りのストレッチや軽い体操を習慣に

寝違えが治らないときは整形外科へご相談を

寝違えは自然に治ることが多いですが、痛みが強い・繰り返す・しびれがあるなどの場合には、自己判断せずに整形外科での診察を受けることをおすすめします。
当院では、正確な診断と的確な治療により、患者様の早期回復をサポートしています。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会