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足首の外側(くるぶしの後ろ)が痛む方へ

―「腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)」という可能性も―
外くるぶしの後ろに痛みがある方は腓骨筋腱炎かもしれません。原因や症状、治療法について中村整形外科皮フ科が詳しく解説します。

足首の痛み、レントゲンで異常なし…そんな時は?

足首をひねって以来、なかなか痛みが取れない…。
スポーツ中や歩行時、「外くるぶしの後ろ」にズキッとする痛み…。
そんな方は、腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)かもしれません。

整形外科でレントゲンを撮っても異常が見つからない場合でも、腱や靱帯の炎症が原因になっていることがあります。
この記事では、腓骨筋腱炎の原因や症状、当院での治療法についてわかりやすく解説します。


腓骨筋腱ってどこにあるの?

腓骨筋腱は、足首の外側を通って足の裏に向かう2本の腱、「長腓骨筋腱」「短腓骨筋腱」のことです。
これらは、以下のような動きに関係しています:

  • つま先立ち
  • 足首を外にひねる(外返し)
  • 歩行中のバランス保持

📌 詳しくは → 整形外科で扱う主な足の腱疾患(日本整形外科学会)


腓骨筋腱炎の主な原因

腓骨筋腱炎は、以下のような原因で発症します:

  1. 足関節の不安定性
     捻挫を繰り返すと、腓骨筋が働きすぎて腱に炎症が起きやすくなります。
  2. オーバーユース(使いすぎ)
     スポーツや長時間の歩行など、同じ動作の繰り返しで負担が蓄積。
  3. 足のアライメント異常
     扁平足や回内足(かかとが内に倒れる)などは腱への負担を増加させます。
  4. 踵の骨の異常
     腓骨筋の通り道に骨の出っ張り(骨棘)があると、腱がこすれて炎症の原因に。

よく見られる症状

  • 外くるぶしの後ろに腫れや押したときの痛み
  • つま先で蹴り出す時にズキッとした痛み
  • しゃがんだ時や階段の昇降での違和感

腓骨筋腱炎の治療法

中村整形外科皮フ科では、腱への負担を減らしながら、炎症を抑える治療を行っています。

主な治療法:

  • 足底板(インソール)の処方
     足のアライメントを補正し、負担を分散。ヒールパッドやアーチパッドを組み合わせます。
  • 初診時のステロイド注射
     強い痛みや腫れに即効性が期待できます。
  • 運動や活動の制限
     腱の安静を保ち、再発を防ぐことが重要です。

📌 関連記事 → 足底板(インソール)について


実際の症例

40代・女性:右足の痛みが半年以上続いたケース

  • 外見やレントゲンに異常は見られず
  • 扁平足傾向を確認
  • 足底板(ヒールパッド・アーチパッド)を処方し、数週間で痛みが軽減

まとめ:気になる症状は早めにご相談ください

腓骨筋腱炎は、見逃されやすいけれど治療で改善が見込める疾患です。
足の形や歩き方など、一人ひとりに合わせたアプローチが必要になります。

「なんとなく足の外側が痛い…」「捻挫が治らない…」という方、どうぞお気軽にご相談ください。

▶ ご予約・お問い合わせはこちらから:
👉 中村整形外科皮フ科 公式予約ページ


中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会