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成長期に多い膝の痛み「オスグッド病」とは?

こんにちは。中村整形外科皮フ科です。
今回は、スポーツを頑張るお子さんに多くみられる膝の痛み、「オスグッド病」についてお話します。

◆ オスグッド病とは?

正式には「オスグッド・シュラッター病」と呼ばれ、成長期(主に10〜15歳)の子どもに多く見られるスポーツ障害です。特にジャンプやダッシュを繰り返す運動(サッカー、バスケ、バレーなど)を行っている子に多く発症します。

膝のお皿のすぐ下(脛骨粗面)がポコッと出っ張り、押すと痛みがあるのが特徴です。

◆ なぜ痛くなるの?

太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、膝のお皿を通って脛骨に付着しています。
ジャンプや走る動作でこの筋肉が繰り返し引っ張られることで、骨がまだ柔らかい成長期の脛骨粗面に炎症が起き、痛みや腫れが出てきます。

◆ 主な症状

  • 膝下の出っ張りと痛み(片側または両側)
  • 押すと痛い
  • 走る、ジャンプ、しゃがむ動作で痛みが増す
  • 安静にしていると痛みは軽くなる

◆ 治療と対応

基本的には保存療法(手術しない治療)で改善します。

  • 運動の一時中止または制限
     痛みが強い時期は、無理をせず運動を控えることが大切です。
  • アイシングや消炎鎮痛剤
     炎症が強い場合は、冷やしたり湿布・内服薬で痛みを和らげます。
  • プロロセラピー, ステロイド注射
     膝蓋腱の炎症が強い場合は注射をすると痛みは早期に改善します。
  • ストレッチやリハビリ
     大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を高めることで、再発予防につながります。

◆ 予後と注意点

オスグッド病は、成長が終わると自然と痛みが治まっていくことが多いです。しかし、痛みを我慢して運動を続けてしまうと、悪化したり変形が残る場合もあるため、早めの診断と対応が重要です。

◆ 最後に

「膝が痛いけど我慢してる」「運動中に足を引きずっている」などの様子があれば、ぜひ早めに整形外科を受診してください。当院では、お子さまのスポーツ障害にも丁寧に対応しています。

中村 公一

執筆者中村 公一

院長 / 整形外科専門医

親切・思いやりの心を大切にし、整形外科の専門知識を活かして地域の皆様の健康を支えたいと考えております。お気軽にご相談ください。

経歴
津高等学校 卒業 / 富山大学薬学部 卒業 / 富山大学医学部 卒業 / 三重大学大学院医学系研究科 修了 / 三重大学附属病院 /名張市立病院 / 松阪市民病院 / 函館共愛会病院 / おおすが整形外科 / 元八事整形外科・形成外科 / ひのとり整形在宅クリニック など
保有資格
医学博士 / 日本整形外科学会認定 整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定 リウマチ医 / 日本整形外科学会認定 スポーツ医 / 日本整形外科学会認定 リハビリテーション医 / 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 / 日本関節病学会 Coolief 疼痛管理用高周波システム講習プログラム 修了 / 日本医師会認定 産業医 / 身体障害者福祉法指定医 / 難病指定医
所属学会
日本整形外科学会 / 日本関節病学会